Vulkan SDKを用いたプログラムをビルド・実行する手順を説明します。 以下のプログラムをエラーなくコンパイルすることが目標です。
#include <vulkan/vulkan.hpp>
int main() {
return 0;
}
前節でVulkan SDKをインストールしていること、および基本的なコマンドライン(シェル)の使い方を知っていることを前提とします。
インストールするもの
vcpkgはVulkan単独での使用の際には不要ですが、「glfw」や「glm」といった便利な補助的ライブラリを入れる際にとても便利なので強く推奨しておきます。
ビルド手順
- 空のディレクトリを作成してそこに移動する。
mkdir vulkan-test cd vulkan-test
- ディレクトリに以下のファイルを配置する。
- main.cpp(プログラムファイル)
#include <vulkan/vulkan.hpp> int main() { return 0; }
- CMakeLists.txt(ビルドスクリプト)
cmake_minimum_required(VERSION 3.22) project(vulkan-test) set(CMAKE_CXX_STANDARD 17) add_executable(app main.cpp) find_package(Vulkan REQUIRED) target_include_directories(app PRIVATE ${Vulkan_INCLUDE_DIRS}) target_link_libraries(app PRIVATE ${Vulkan_LIBRARIES})
build
ディレクトリを作成して移動する。mkdir build cd build
- CMakeのコンフィグを行う。vcpkgのパスを指定することに注意。
cmake .. -DCMAKE_TOOLCHAIN_FILE=(vcpkgのインストールパス)/scripts/buildsystems/vcpkg.cmake
- ビルドを実行する。
これで実行ファイルが生成されます。(GCC/Clangならばcmake --build .
build/app
に、Visual Studioならbuild/Debug/app.exe
に)
過去にはVisual Studioによる開発方法を案内していたので、その内容も残しておきます。 Visual Studio向けには便利なプロジェクトテンプレートがVulkan SDKに付属しているので、それをそのまま使えばほとんど困ることはなありません。 ここでは参考として「空のプロジェクト」から設定する方法も書いておきます。Windows/Visual Studioによるプロジェクト作成
main.cpp
を追加する。vulkan-1.lib
を追加#include <vulkan/vulkan.hpp>
int main() {
return 0;
}